のしのマナー

“のし”とは?
- 贈り物には水引と熨斗(のし)の入ったのし紙を掛けることが一般的なギフト包装とされています。
水引とは、贈り物の包み紙を結ぶ紙紐のことで、目的に応じて色や本数、結び方が異なります。
のし紙をかける際、適していない結び方のものを選んでしまうと失礼に当たりますので、十分に注意しましょう。
また、生鮮品や仏前へのお供え物には、熨斗なしの掛け紙を使用します。のし紙を正しく選び、気持ちの良い贈り物を心がけましょう。
熨斗とは
贈り物に添える飾りのことで、かつて長寿や繁栄を意味する縁起物として、薄く伸ばしたアワビを干した「のしあわび」が使われていたことに由来しています。
のし袋やのし紙の右上に付けるもので祝義にのみ使用します。
現在ではこれらが簡略化され、熨斗と水引が印刷されたのし紙を使用することになったようです。
仏事関係のしの基礎知識
仏事関係
【香典返し】![]() |
[ のし上 ] 志、忌明志、満中陰、粗供養など [ 水引 ] 黒白または双銀 結び切り ※関西地方や一部の西日本:黄白 結び切り [ のし下 ] 喪家の姓 |
[ 目安 ] いただいた香典の3分の1から半額の品物が目安。 [ 贈る時期 ] 一般的に忌明けを迎えたら、日常生活に戻るとされています。忌明け後、あいさつ状とともに香典返しを贈ります。 忌明けとは、仏式ではふつう四十九日ですが、繰り上げて三十五日とすることもあります。 |
【法事引き出物】![]() |
[ のし上 ] 志、粗供養など [ 水引 ] 黒白または双銀 結び切り ※関西地方や一部の西日本:黄白 結び切り [ のし下 ] 喪家の姓 |
[ 目安 ] 金額は、2,000円~5,000円程度が一般的。 [ 贈る時期 ] 引き出物は会食が終了する直前に渡します。手渡しをする場合は、僧侶から関係性の濃い順に渡していきます。 |
【法事引き出物】 ※四十九日の場合 ![]() |
[ のし上 ] 満中陰志、忌明志など [ 水引 ] 黒白または双銀 結び切り ※関西地方や一部の西日本:黄白 結び切り [ のし下 ] 喪家の姓 |
[ 目安 ] 金額は、2,000円~5,000円程度が一般的。 [ 贈る時期 ] 引き出物は会食が終了する直前に渡します。手渡しをする場合は、僧侶から関係性の濃い順に渡していきます。最近では場所を移して会食が行われることも多く、あらかじめ席にセットしておく場合もあります。 |
※こちらは代表的なものになります。地方により習慣、使い方、流派による違いがある場合がございますのでご注意ください。
水引の種類
水引とは、祝儀袋や不祝儀袋など進物用の包みを結びとめる飾り紐のことで、色や本数に意味があります。
慶事には紅白、赤白、金銀を用い、弔事には白黒、双銀(銀のみ)、双白(白のみ)、黄白を用います。
慶弔どちらでも本数が多い方が格式と金額が上とみられます。
また吉の水引は、5本、7本、9本、凶の水引は、2本、4本、6本になります。
さらにお祝い事によって結び目が違うことも忘れずに!
【仏のし】
仏・藍銀水引
二度と繰り返したくないお悔やみ全般に対しては、水引は結び切りで一般的に黒白を使用。もともとおめでたい時の贈答品に用いられていた右上の熨斗も、もちろんつけません。
なお、地域・宗教によって表書きに違いがありますので、先方の宗教に合わせるなど注意が必要です。

のしの掛け方
【内のし】
ギフトボックスや品物にのし紙を掛け、その上から包装紙でつつむ形式です。
贈り物を手渡しではなく宅配便等で直接送る場合は、のし紙が汚れたり破れたりしづらい内のしがおすすめです。

【外のし】
包装紙で品物を包んだあとに、のし紙を掛ける形式です。
手渡しでギフトを贈る際は、外のしを選ぶのが一般的です。 引き出物や内祝いの行事では、ホコリなどがついて汚れてしまわないように、内のしを選んでも構いません。

≪ワンポイントアドバイス≫
控えめに贈りたい場合は、品物に直接のし紙を掛け、その上から包装する“内のし”、 一方贈り物を強調したい時や持参して手渡す場合は、包装後にのし紙を掛ける“外のし”を使います。シーンに応じて使い分けましょう。
のしの書き方
のし紙の上段中央には表書きを記します。この際文字が水引や熨斗にかからないようにしましょう。
下段には表書きより少し小さく贈り主の名前を書き入れます。
贈り主の名前の表記は、一般的な弔事なら苗字のみ、連名の場合は右から地位や年齢順、地位や年齢が関係ない場合は右から五十音順で記入します。ご夫婦の場合は右側に夫の名をフルネームで記し、左側に妻の下の名前のみ記します。
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一般的な弔事
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連名での書き方
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連名(ご夫婦)での書き方